第6章

二階の物音があまりに大きい。久世哲哉と久世湊は顔を見合わせ、互いの瞳に「またか」という慣れた苛立ちが走った。

酒井初音が、またやらかしている。

二人は久世美月を支えながら急いで階段を上がる。案の定、そこでは酒井初音が誰かをいたぶっていた。

床に伏せた田中美咲の背には、歪んだ銀針が何本も突き立っている。血が滲み、背中一面が赤く染まっていた。田中は地面に額をこすりつけるようにして、泣き叫ぶ。

「奥様の胸の内にお怒りがあるなら、どうぞ私にぶつけてくださいませ……! この老いぼれの骨が砕けようと、構いません……!」

「美月様はまだお小さいのです……どうか、あの子に当たらないでください……!...

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